使い方
1) 9 大分類から **業種カテゴリ** を選択。2) **細目** (54 業種) のセレクトから自社の主たる業種を選ぶ。3) **年間賃金総額** を入力 (4 月〜翌 3 月の支払総額、賞与含む)。年額・月額が自動表示されます。雇用保険と違い、労災保険料は全額事業主負担で給与から控除しません。
詳細解説
業種と賃金総額が示す事業規模と労働安全コストの感度
労災保険料の計算に必要な「業種カテゴリ・年間賃金総額」の組み合わせは、事業の業種区分と人件費規模を明示します。「建設業・年間賃金 1 億円」という入力は、中規模以上の建設事業主であることと、その規模の雇用コストを抱えていることを示します。これは建設機械・資材メーカー・損害保険 (労災上乗せ保険)・社会保険労務士にとって事業主識別に有用な情報です。
社会保険労務士事務所・給与計算代行サービス・HR クラウドが提供する労災保険料計算ツールは、入力された業種と賃金規模から潜在的な顧客を識別します。「年度更新の準備のためにシミュレーションした」つもりが、自社の業種・規模情報を見込み客として記録される可能性があります。労災は全額事業主負担なので、従業員が使う機会は少なく、このツールの利用者の多くは事業主や経理担当者です。
54 業種別料率を JavaScript 定数として実装した仕組み
労災保険料率は業種ごとの過去 3 年の労災発生状況に基づき厚生労働省が 3 年ごとに改定する法定値です。令和 6 年 (2024) 改定後の 54 業種の料率 (最小 2.5/1000〜最大 88/1000) を JavaScript の定数オブジェクトとして実装しています。計算式は「年間賃金総額 × 料率」という単純乗算で、外部 API は一切不要です。9 大分類→54 細目のセレクト UI も含め、すべてブラウザ内で完結します。Network タブを開いた状態で業種や賃金を変更してもリクエストはゼロです。令和 7・8 年度も同料率のため、次の改定 (令和 9 年度予定) まで同じ定数が有効です。
メリット制が適用される場合の留意点
100 人以上の事業所 (または 20〜100 人で一定条件を満たす場合) には、過去 3 年の労災発生状況に応じて標準料率を最大 ±40% の範囲で割引・割増するメリット制が適用されます。本ツールは標準料率での試算であり、メリット制による調整は反映しません。実際のメリット制適用後の料率は、年度更新の際に管轄の労働基準監督署から通知される確定保険料算定基礎賃金集計表で確認してください。メリット制が適用される規模の事業者は、本ツールの試算を概算の基準として、実際の年度更新時には通知された適用料率で再計算することをお勧めします。
年度更新 (6〜7 月) の準備と雇用保険料との合算
毎年 6 月 1 日〜7 月 10 日の年度更新では、前年度の確定保険料 (実際の賃金総額 × 料率) と当年度の概算保険料 (見込み賃金 × 料率) を同時に申告・納付します。労働保険は労災 + 雇用の合算で納付するため、本ツールで労災保険料を、koyo-hoken-jp で雇用保険の事業主負担分を試算して足し算することで、労働保険料の総額を概算できます。健康保険・厚生年金 (社会保険) 側の事業主負担は kenpo-kyokai-jp で同じくブラウザ内に確認できます。特に高額賞与が発生した年度は賃金総額が大きく変動するため、前年度の確定保険料と当年度概算保険料の差額 (過不足金) が生じます。
9 大分類 → 54 細目の業種区分構造と料率の決定根拠
労災保険料率は労働者災害補償保険法第 32 条の 3 により、過去 3 年の労災発生率 (千分率: 業務上の死傷者数 / 平均労働者数 × 1,000) に応じて 3 年ごとに改定されます (出典: 厚生労働省 労災保険率の改定について)。9 大分類は: (1) 林業 60/1000、(2) 漁業 9〜18/1000、(3) 鉱業 26〜88/1000 (金属・石炭が最高)、(4) 建設業 9〜62/1000 (土石採取が最高)、(5) 製造業 2.5〜26/1000、(6) 運輸業 4〜9/1000、(7) 電気・ガス 3/1000、(8) その他 (商業・金融・通信等) 2.5〜13/1000、(9) 船舶所有者 47/1000。最低 (金融・保険・通信業) と最高 (金属鉱業) で約 35 倍の差があります。
54 細目への分類は実務上重要で、業種選択ミスが続くと年度更新時に労働基準監督署から指摘を受けます。例えば「製造業」内でも食料品製造業 (2.5/1000) と化学工業 (4/1000)・金属製品製造業 (10/1000) で大きく異なります。建設業内も土木工事業 (16/1000)・建築工事業 (9.5/1000)・既設建築物設備工事業 (12/1000) で別の料率。本ツールの 9 大分類セレクト UI から 54 細目を選択する設計は、この階層構造を反映したものです。事業内容が複数の細目にまたがる場合 (例: 製造業 + 自社配送) は、主たる事業の業種を選択するのが原則 (主たる業種の判定基準は厚労省告示)。
特別加入制度・中小企業主特別加入・建設業の請負人特別加入の対象範囲
労災保険は原則「労働者」のみが対象で、事業主・役員・自営業者は対象外です。ただし、業務の性質・労務管理の実態から労働者と同等の保護が必要と認められる場合は、特別加入制度で任意加入できます (出典: 厚生労働省 労災保険の特別加入制度)。中小企業主特別加入は、常時 300 人以下 (金融・保険・不動産・小売は 50 人以下、サービス業は 100 人以下) の事業主が労働保険事務組合を通じて加入できる制度で、自分の業務中の事故に労災保険が適用されます。1 日 3,500 円〜25,000 円の給付基礎日額を選択し、料率は所属業種の労災保険率を適用。
建設業の請負人特別加入は、一人親方・大工・左官など、労働者を雇わずに建設業に従事する事業主向け。労働組合または労働保険事務組合経由で加入し、料率は 18/1000 が標準。海外派遣者特別加入は、海外勤務する労働者向けで、派遣元事業主が手続きを行います。これら特別加入の保険料は本ツールでは試算対象外で、所属する労働保険事務組合または労働組合に問い合わせる必要があります。なお、特別加入は労災保険料が比較的低額 (年間数万円程度) なのに対し、業務上の傷病・死亡時の補償は数百万〜数千万円規模になるため、対象となる事業主・自営業者には強く推奨される制度です。
よくある質問
- 労災保険料って毎月の給与から引かれている?
- **いいえ、引かれません**。労災保険料は全額 **事業主負担** で、給与明細にも載らないのが普通です。雇用保険は労働者・事業主の両方負担 (一般事業で 5/1000 ずつ) なので給与控除されますが、労災は事業主のみ。年度更新時に労災 + 雇用 = 労働保険として年 1 回まとめて納付します。
- なぜ業種によって料率が大きく違う?
- 労災発生率が業種ごとに大きく違うため。最低は **金融・保険・不動産 / 通信・放送 / 計量器製造 / 原油天然ガス鉱業 = 2.5/1000**、最高は **金属鉱業・非金属鉱業・石炭鉱業 = 88/1000** で約 35 倍の差。林業 52、船舶製造 23、定置網漁業 37 も高め。料率は厚労省が業種ごとの過去 3 年の労災発生状況をもとに **3 年ごと** に見直します。
- 令和 6 年改定の主な変更点は?
- 令和 6 年 4 月から、業種平均料率が 4.5/1000 → 4.4/1000 へ引下げ。54 業種中 **17 業種が引下げ・3 業種が引上げ** ・残りは据置。引下げ例: 林業 (60→52)、食料品 (6→5.5)、木材 (14→13)、化学 (4.5 据置)、その他建設 (15 据置)。引上げ例: パルプ・紙 (7→7、実は据置か微増)、ビルメンテナンス、電気機械。本ツールに収録のは令和 6 年改定後の料率で、令和 7・8 年度も同じ。
- 建設業の労務費率って何?
- 建設業の元請事業主の場合、賃金総額を正確に把握しづらいため、請負金額 × **労務費率** で賃金総額を推定し、それに労災保険料率を掛けます。例: その他の建設事業の労務費率 23%、料率 15/1000 で、請負 1,000 万円なら賃金 230 万円 × 15/1000 = ¥34,500。本ツールは『直接雇用の労働者賃金』ベースなので、請負ベースの試算は労務費率を別途掛けてください。
- メリット制って?
- 労災発生状況によって料率を **±40% の範囲で割増・割引する制度**。100 人以上の事業所、または 20-100 人で一定条件を満たす場合に適用。3 年連続して低発生 → 翌年度から最大 40% 引下げ、高発生 → 最大 40% 引上げ。建設業では別途『有期事業の一括メリット制』も。本ツールは標準料率での試算で、メリット制は反映しません。
- 中小事業主・一人親方は対象?
- 労災保険は原則『労働者』の業務上災害を補償する制度なので、**事業主本人は対象外**。ただし中小事業主 (常時 300 人以下、金融保険・不動産・小売は 50 人以下) と一人親方 (建設業・運送業など) は **特別加入** で本人も対象になります。給付基礎日額 (3,500〜25,000 円) × 365 日 × 業種別料率 で年額を計算 (本ツールでは未対応)。
- 外国人技能実習生・短時間労働者も対象?
- **雇用形態に関係なく、全労働者が労災保険の対象** (正社員・パート・アルバイト・派遣・外国人技能実習生・日雇)。雇用保険のような週 20 時間要件もありません。賃金が発生する『労働』に従事した瞬間から自動適用。事業主は採用初日から労災保険の届出義務 + 保険料負担を負います。
- 年度更新って何?
- 毎年 **6 月 1 日〜7 月 10 日** に労働基準監督署 (またはオンライン e-Gov) で行う『労働保険料』(= 労災 + 雇用) の精算手続き。前年度の **確定保険料** (実際の賃金 × 料率) を申告し、当年度の **概算保険料** (見込賃金 × 料率) を同時納付。期限を過ぎると **追徴金 10%** が課されます。
- 他の社会保険ツールとの違いは?
- 本ツールは『労災保険料 = 業務災害補償の財源』のみ。**健保 + 厚年 + 介護** は kenpo-kyokai-jp。**雇用保険** は koyo-hoken-jp。**国保** (自営業) は kokuho-hoken-jp。**介護保険料 (65 歳以上)** は kaigo-hoken-jp。会社員の社会保険料総額を把握するには、kenpo-kyokai-jp + koyo-hoken-jp + rosai-hoken-jp の 3 つを合算。
- 入力データはサーバーに送信されますか?
- いいえ。すべてブラウザ内で計算され、ネットワーク通信は一切発生しません。
「送らない」を確かめるには
このツールは入力データを外部に送信しません。仕組み・監査手順・運営方針は以下で詳しく説明しています。
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