使い方
前年の確定申告書を手元に用意します (青色申告決算書 + 第一表)。 今年の毎月の収入・経費・固定費・入金日・現在の預金残高を入力します。残る額の計算用です。税金の入力には影響しません。 前年実績として、事業所得 (売上 − 経費)・課税所得・確定所得税額・消費税額を入力します。すべて前年確定申告書から転記します。 住民税均等割と国民健康保険税 (自動算出 / 手動入力) を入力します。個人事業税はチェックを入れて業種率 (%) を入力します。 シミュレーション開始 (年/月) を入力します。終了は自動で翌年 3 月までです。 「シミュレーション実行」で、月別カレンダーに住民税 4 期 / 国保 8 期 / 個人事業税 2 期 / 所得税予定納税 2 回 / 消費税中間納付を月ごとに並べます。 通知書 (納付書) が手元に届いた期は「通知書の実額で上書き」欄に入力します。空欄の期は試算値のまま、入力した期だけ実額に置き換わり、カレンダーと税目別合計に反映されます。
詳細解説
前年確定申告書の数字が持つ機微性
このツールに入力する「前年の事業所得・課税所得・確定所得税額・消費税額」は、確定申告書の核心的な数字です。確定所得税額は年収から各種控除を引いた課税所得の大きさを推測する材料になり、消費税額は売上規模の下限を示します。これらを合算すると「この事業者の事業規模と税負担の実態」が浮かび上がります。
前年実績を入力するという性質上、このツールのデータは推測値ではなく確定値です。外部サービスに入力した場合、申告書レベルの精度で財務情報が外部に開示されることになります。
申告書データをアップロード型ツールに入力するリスク
税務申告書に記載された数字は、金融機関の融資審査でも使われる公式財務情報です。「確定所得税額 15 万円以上 = 予定納税対象」という情報は、この事業者が一定以上の所得を得ていることを示す客観的な指標です。こうした情報が外部サーバーに送信されれば、事業者のプロファイリングの精度を上げる素材になります。
確定申告書のデータを扱うツールこそ、ブラウザ外に出さない設計を選ぶ価値があります。
前年実績ベースの計算がブラウザ内で完結する仕組み
このツールは前年の確定所得税額(15 万円以上なら予定納税対象)・消費税額(48 万円超は中間納付 1 回、400 万円超は 3 回)・事業所得・国保料率を入力として、今年の納税スケジュールを JavaScript で構築します。東京都特別区令和 8 年度の国保統一料率を含むすべてのロジックがブラウザ内に実装されており、Network タブを開いた状態で操作してもリクエストは発生しません。
入力値は localStorage にローカル保存されるため、次回開いたときに復元されますが、データが外部に出ることはありません。実際に届いた通知書の実額で上書きする機能も、ページ内の状態管理のみで完結します。
通知書が届いたときの活用法
7 月に住民税通知書・予定納税通知書が届いたら、試算値と実額を比較してください。差額が大きい場合は、前年所得の入力値を見直すか、手動上書き機能で実額に置き換えてください。この操作で年間の納税合計が実態に近い値に更新され、残りの月の資金計画が立てやすくなります。今年の見込み収入から月次キャッシュフローを組み直したい場合は freelance-tax-calendar-jp、副業所得が混在する給与所得者なら side-income-tax-jp を同じ流れで併用できます。
予定納税の判定閾値・消費税中間納付の段階構造と実額の根拠
所得税予定納税は所得税法第 104 条で、前年確定所得税が 15 万円以上のとき 1/3 を 7 月 31 日まで、1/3 を 11 月 30 日までに前納する制度です (出典: 国税庁 タックスアンサー No.2040 予定納税)。「予定納税基準額」と呼ぶこの 15 万円判定は、本ツールが入力された前年確定所得税額から自動判定し、対象外なら 7 月・11 月のスケジュールから外します。災害損失・廃業など特別事情で当年見積額が大幅減になる場合は、7 月 15 日までに「予定納税額の減額申請」を税務署に提出することで減額・免除されますが、本ツールはこの減額申請機能を持たないため、減額希望時は実額入力で対応してください。
消費税中間納付は消費税法第 42 条で、前年消費税額により納付回数が変わります: 48 万円以下は中間納付なし (確定申告時に一括)、48 万円超 400 万円以下は 1 回 (8 月末、前年税額 × 1/2)、400 万円超 4,800 万円以下は 3 回 (5 月・8 月・11 月、各 1/4)、4,800 万円超は 11 回 (毎月、各 1/12)。本ツールは入力された前年消費税額からこの段階を自動判定します。前年がインボイス制度初年度 (令和 5 年 10 月以降) の場合、消費税額が部分年分のため通常より少なく、中間納付対象外と判定される可能性が高いことに注意してください。
通知書が届く順序と実額上書きの実務的な使い方
各通知書が届くタイミングは: (1) 6 月中旬に住民税課税決定通知書 (特別徴収または普通徴収の選択別)、(2) 6 月下旬に予定納税通知書、(3) 7 月初旬〜中旬に国保税納税通知書、(4) 8 月上旬に個人事業税納税通知書、(5) 消費税中間納付申告書 (3 月の場合は 4 月、9 月の場合は 11 月) — の順序です。本ツールの手動上書き機能は、各税目の試算値を実額で書き換える設計で、通知書が届いた順に更新していくと年間の納税合計が段階的に精緻化されます。
実務的な使い方は: (1) 確定申告直後 (3 月) に本ツールに前年実績を入力して年初の試算を作成、(2) 6 月の住民税通知書到着時に住民税の実額を上書き、(3) 7 月の予定納税通知書 + 国保通知書到着時に両方を上書き、(4) 8 月の事業税通知書到着時にも上書き、(5) 上書き後の年間合計を本ツールに表示される 年間合計税額 で確認 — の流れです。試算値と実額に大きな差 (10% 以上) が出るケースの多くは、(a) 青色申告控除の適用ステータス変更、(b) 国保軽減判定の境界変動、(c) 個人事業税の業種区分の見直し、のいずれかです。差の原因が特定できれば、来年の試算精度も上がります。
よくある質問
- 「freelance-tax-calendar-jp」 (今年予測ベース) と何が違いますか?
- 本ツールは前年確定申告書の実額をベースに、今年中に発生する納税スケジュールだけを計算します。住民税・国保税・予定納税・中間納付は本来「前年所得ベース」で課税されるため、こちらの方が実際の納付額に近い数字になります。今年の確定申告 (翌年 3 月) は計算しません。
- 入力したデータはサーバーに送信されますか?
- いいえ。すべてブラウザ内で計算され、入力は localStorage に保存されます。次回開いたときに復元されます。
- 前年確定所得税額はどこから持ってくる?
- 前年確定申告書 第一表「申告納税額 ㊺」の数字を入れてください。15 万円以上なら今年の予定納税の対象になります。源泉徴収額を差し引いた厳密な「予定納税基準額」とは異なる場合があるため、実額は税務署から届く予定納税通知書を必ず確認してください。
- 前年消費税額は地方消費税込みですか?
- 中間納付の判定は国税分だけで行います。簡易判定として申告書「消費税及び地方消費税 計」のうち国税分を入れてください。48 万円超で 1 回、400 万円超で 3 回の中間納付が今年中に発生します。
- 国民健康保険税の自動算出はどの料率を使っていますか?
- 東京都特別区の令和 8 年度統一保険料率を使用しています。自治体ごとの差が大きいので、正確な額は通知書を確認するか手動入力モードに切り替えてください。
- 個人事業税を計算したくないときは?
- 「個人事業税を計算する」チェックを外すと、業種率の入力欄ごと消え、カレンダーとサマリーから個人事業税が完全に除外されます。
- 実際に届いた通知書の金額に合わせたい
- 「通知書の実額で上書き」セクションに各期の入力欄が出ます。プレースホルダーに試算値が表示されているので、実際に届いた住民税・国保税・個人事業税・予定納税・消費税中間納付の納付書金額を、対応する期にそのまま入力してください。空欄の期は試算値のままで、入力した期だけ実額に置き換わります。税目別の年間合計と「今年の納税合計」も上書き後の値で再集計されます。
「送らない」を確かめるには
このツールは入力データを外部に送信しません。仕組み・監査手順・運営方針は以下で詳しく説明しています。
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